博愛と公益

　医療人における博愛とは、病気で困っている人に対する慈しみの心であり、医療というものが人間の歴史において発生した理由であるし、その発展の原動力になってきました。苦しんでいる人や悲しんでいる人を目の前にした時に、おろおろしたり、心配したりするのは、人を慈しむ気持があるからであり、私たちが治療を始める動機はこのような博愛の精神であるはずです。また、博愛から生じた

医療行為は自分を利するのが目的ではなく、他者の利益、すなわち公益のためであるべきと考えます。

　医師たるものは無類の親切者でなければ務まらないとは江戸時代の蘭学者、緒方洪庵の言ですが、無類の親切とは博愛と同義であると考えます。したがって、歯科医師における博愛とは無類の親切を実行するにことに他ならず、これを治療において実行し続けることは、まさしく公益につながることと信じます。換言すれば、博愛の精神で臨む医療行為は公益性を追求したものでなければならないと言えます。

　当院は一般歯科、小児歯科、口腔外科を標榜。一般歯科では歯周病計画治療を積極的に行い、口腔外科では医学部付属病院外来の治療内容に準じ、入院の必要のないレベルで歯科外科手術を行っています。保険診療が主体ですが、インプラントなどの高度先進医療や審美歯科なども治療の選択肢として客観的に説明して、生活の質の向上にも寄与しております。